アラスカの自然に抱かれたい//旅をする木・星野道夫

頰を撫でてゆく風の感触も甘く ,季節が変わってゆこうとしていることがわかります。
アラスカに暮らし始めて十五年がたちましたが、ぼくはページをめくるようにはっきりと変化していくこの土地の季節感が好きです。

 人間の気持ちとは可笑しいものですね。どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、風の感触や初夏の気配で、こんなにも豊かになれるのですから。人の心は、深くて、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで、人はいきてゆけるのでしょう。

 この一文を大学時代の先輩に紹介されて読み始めた。

星野道夫さんてどっかで聞いたことあるなと思ったら

中学生かな?国語の教科書にたしか載ってた。

 

 

自然を言葉にすると、なんだか軽くなったり浅くなったり陳腐なものになってしまうことが多いが、星野さんが表現すると、自然がきちんと伝わってくる。

自然の柔らかさ、大きさ、強さ、儚さが心にすんと入り込んでくる。

私が自然について言葉を並べるとそれこそ軽くなってしまうからここでやめとこ笑

 

 「流産をする時は、どうやってもしてしまうものよ。自然のことなんだから、それにまかせなさい。」

アラスカの自然の雄大さ、そこで暮らす人達の命との向き合い方がとても素敵だと思った。僕たちは命をどうこうできる存在でもなければ、ただの生き物なんだなと。

 

アラスカに行ったことはないけど、旅行先に迷っている人がいたら全力でアラスカを進めたくなる笑

 

写真撮るのが上手な人って、言葉で風景を切り取るのも上手なんかな。

 

 

旅をする木 (文春文庫)

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